虫と対話する話。
自分は虫と心で話す、あるとき山で捕まえたクワガタが、山に帰る、放せと言った。
突然のことに、すぐに手放すと、悪態をつきながらクワガタは山に飛んで行った。
時々、虫の写真を撮る。この前 百日紅の赤い花にカナブンが止まって花の雄蕊、雌蕊と遊んでいた、あまり遊びすぎて、滑って落ちた。
驚いたカナブンは恥ずかしそうに飛んで行った。
飛んできたトンボに写真撮らせてとお願いすると、仕方ないなと、枝にとまってくれた
ポーズを決めたトンボにあと少し、あと少しと、動かないようにお願いした、すこし首を傾けたトンボはなんとかモデルになってくれた。
夏の暑い道すがら、ハンミョウがこっちこっちと道を案内してくれる、せっかくだから写真撮影するよと声をかけた、じゃ、とハンミョウは玉虫に負けない羽を輝かせて止まってくれた、その一瞬は、1秒に満たないが永遠の時間なのだ。
バラの茎にとまったセミの抜け殻を、カマキリがしきりに叩く、夏は終わろうとしている、そして秋、人生も又、秋に向かっている。